藤代
ふじしろ
Fujishiro
直流電化と交流電化の境界、デッドセクション
取手市に位置する駅。当駅から取手方面は列車の電化方式が交流から直流に切り替わるため、デッドセクションが存在する。通過する際は冷暖房が一時的に停止することがある。
取手寄りのデッドセクションの関係もあってか上下線の間に中線を備え、貨物・臨時列車の待避や折り返しに使われる。石岡市にある磁気観測所の半径35km以内に直流を流すと観測に支障が出るため、直流と交流の境目であるデッドセクションは観測所から直接距離で約36kmの場所にある。
路線
常磐線
日暮里起点
43.4km
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 2面2線
開業日 1896年(明治29年)12月25日
運営形態 業務委託駅
設置場所 | 改札窓口 |
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藤代駅駅舎とE531系。現在の橋上駅舎は1987年に改築されたもの。E531系は常磐線の交直流中距離電車。常磐線の普通列車として運行されている。取手以南の快速線区間では快速として案内されているが、JR東日本公式サイトの時刻表では快速運転区間でも普通列車と表記されている。
駅名標。常磐線交流区間最初にして最後の駅。快速区間に比べて本数が少なくなっている
龍ケ崎市が佐貫だった頃の駅名標。2020年3月14日以前は龍ケ崎市駅は佐貫駅だった
縦型駅名標
縦型駅名標2
ホーム。上下線の間にある中線は待避と折り返し用。デッドセクションを越えられない交流電車が折り返すことがあるらしい
2番線上り(上野方面)ホーム中程にある待合室。1番線にはない
改札内のトイレ。狭く、男子トイレは個室が1つしかない
常磐線普通列車・特別快速列車グリーン車のご案内。4・5号車へ
改札の外。みどりの窓口は2019年4月14日に閉鎖
みどりの窓口閉鎖後の改札
改札外にあるモニュメント おめでとう。新しい「ふじしろ駅」。躍動しつづけ、いつまでも暖かであってほしい「ふじしろ」…いまここからさまざまなふれ合いが生れ幸福な何かが始まってゆくことでしょう。私たちはそれらを期待し予感します。
改札外の壁画。取手市の前身、旧藤代町の特色を描いたもの。自然に恵まれ都心に近い藤代町、陸前浜街道に沿う宿駅として栄えた藤代駅は、明治26年(1898年)常磐線開通以来発展をつづけ今日に至っている
洒落たデザインの駅構内の灯り
藤代駅橋上連絡道内(改札外)の藤代駅市民ギャラリー
北口ロータリー。旧藤代町の中心市街地だった場所。主に住宅街
駅周辺ご案内。取手市役所藤代庁舎、小貝川フラワーカナル、藤代スポーツセンター
南口ロータリー。こちらも住宅街。コンビニは駅前から少し離れた場所。田園地帯が目立つ場所もある
南口駅舎。北口は出入口が2つあるがこっちは1つだけ
取手市藤代駅南口公衆トイレ
藤代駅の文字
藤代駅から取手駅方面約1.3km地点に交流電化と直流電化の境目、デッドセクションがある。これのせいで取手駅が境界駅になるほどの大きな影響をもたらしている。ここを越えるには交直流電車か気動車でないと無理
デッドセクションの標識。架線死区間標識という。デッドセクションが始まる位置に設置されている。終わりの部分には運転士にここから加速して良いと言う目安を送る標識である「力行標」が設置されている
デッドセクションの図
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(取手のページ「直流-デッドセクション-交流その1」の続きです)
なぜ「取手」~「藤代」間にデッドセクションがあるのか、これは常磐線沿線にある茨城県石岡市の磁気観測所が深く関係している。
この観測所は世界の地磁気観測のなかでも重要な位置にあるということで、半径35km以内に直流を流すと地磁気のデータに影響を及ぼすという。これが要因となり常磐線取手以北は交流電化にせざるを得ないのだ。このため直流から交流の境目となるデッドセクションがここに設けられている。
このデッドセクションを越えて運行するためには直流と交流の両方に対応した交直流電車が必要となる。常磐線でいうと代表的なのが青色のE531系だ。直流と交流を切り替えられる常磐線の主力車両で取手以北の主役である。因みにデッドセクションを通過する際に一時的に車内の電気や冷暖房が停止したようだが、現在はないようである。
同じ路線を走る緑色のE231系は直流のみで交流には対応せず、取手以北の運行ができない。そのためE231系は近距離輸送用として本数確保のために「上野(品川)」~「取手」の快速区間のみで運行している。この車両の性質も取手以北の運行本数の減少に影響しているのだ。
この磁気観測所がもたらしたデッドセクションは他につくばエクスプレス「守谷」~「みらい平」間、水戸線「小山」~「小田林」間がある。なおこの辺りを走る関東鉄道常総線はデッドセクションの設置を避けるためあえて全線非電化を採用している。
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