和田浦
わだうら
Wadaura
日本で4か所しかない捕鯨基地を有する旧和田町
関東の駅百選選定駅。駅舎側2番線は下り(安房鴨川方面ホーム、跨線橋を渡った先が1番線上り(千葉方面)ホーム。蘇我駅から分岐する外房線と内房線の外周のほぼ中間に位置しており、「和田浦」〜「安房鴨川」間の各駅は外房線経由の方が近い。
当駅の所在地である南房総市和田町には日本で4か所しかない捕鯨基地(和田漁港)が存在する。くじらが房総半島に近づく6月〜9月にかけて約25頭のくじらが水揚げされるようだ。
当駅のホームから見える巨大な骨格のレプリカは「道の駅和田浦WA・O」のシロナガスクジラの骨格標本である。道の駅の入口は当駅の裏側にあるため、大きく迂回する必要がある。
路線
内房線
蘇我起点
106.8km
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業日 1922年(大正11年)12月20日
運営形態 無人駅
設置場所 | 改札外 |
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関東の駅百選。和田浦駅は2000年に関東の駅百選に認定されており、選定理由は「捕鯨基地を有する町にあって、くじらをイメージしたふるさとの顔となる駅」。
設置場所 | 改札外 |
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くじらと駅舎。和田浦駅周辺の和田町地区には日本で4か所しかなく関東唯一の捕鯨基地、和田漁港がある。よってくじらが名物である。くじらの肉は和田浦駅の裏側にある「道の駅和田浦WA・O」で簡単に購入できる。ただ道の駅の出入口は内房線を挟んで国道128号線側にあるため、大きく迂回しなければならない。
駅名標
駅名標2。2番線は外房線の駅である茂原が表記されている
縦型駅名標。旧和田浦町。関東唯一の捕鯨基地を有する町であり、現在は南房総市としてその役割を全うする
名所案内。当駅は和田浦海水浴場、捕鯨の基地 和田浦漁港、花嫁街道ハイキングコース、黒滝、向西坊入定窟(こうさいぼうにゅうじょうくぼ)、房州花栽培発祥の地、間宮七郎平(まみやしちろうべい)功労碑、童謡「浜千鳥」の歌碑、元朝(がんちょう)桜と梅の里抱湖園(ほうこえん)
春には菜の花が咲くホーム。1番線上り(館山方面)ホームは道の駅和田浦WA・O!と隣接している
1番線ホームにある待合室
クジラの町・和田浦に因み、2番線下り(安房鴨川方面)ホームにあるツチクジラ頭部骨格、体長10m、重量18t、全国で四ヶ所・関東唯一の小型捕鯨基地・和田浦港で年間(6月〜8月)26頭捕獲されます。
駅舎の中。無人駅。簡易Suica改札機、乗車駅証明書発行機
関東の駅百選認定駅。内房線は当駅と館山駅が関東の駅百選認定駅。選定理由は「捕鯨基地を有する町にあって、鯨をイメージしたふるさとの顔となる駅」
関東の駅百選 認定書。上記の駅(和田浦駅)は愛され親しまれ 人々の心に残る駅として鉄道の日記念 関東の駅百選の一つであることを認定します 平成12年10月14日
くじらに関する展示のある待合室
レイアウトが変わった
かつての内房線の写真
「ウオノゾキ」
捕鯨文化と和田町。和田町とは南房総市になる前のこの辺りの町村。関東唯一の捕鯨基地を有し、年26頭のツチクジラの捕鯨が行われている
花畑。南房総市は旧和田町だった頃から花き栽培が盛ん。和田町出身の間宮七郎平という人物が安房地方初めて花づくりに成功し、半農半漁の生活を営んでいた町民の生活を助けたという
長らく使われていなそうな駅からハイキングの台、無人駅だが常設の駅スタンプ。駅スタンプはインキが薄い
テープの下に「和田町総合観光案内所」と確認できる。駅に観光案内所が併設されていた模様
花嫁街道ハイキングコース。山間集落の上三原部落と海辺の集落との交流の道、古くは塩汲みの道から生活物資の往来、学校への通学路として利用され、かつては花嫁行列もここを通って嫁いでいったことから、近年ハイキングコースとして整備され花嫁街道と呼ばれるようになった
南国感漂う木がある駅前。当駅は山側に出入口が向いており、駅前から海側の国道128号線に出るには回り道して踏切を渡る必要がある。国道沿いにローソンが立地。道の駅和田浦 WA・O!まで徒歩約8分、和田浦海水浴場まで徒歩約7分
駅の看板
花と、みどりと、海の楽園和田町
くじら料理
くじらりょうり
和田浦駅周辺に数店舗立地
日本に4か所しかない捕鯨基地の和田漁港がある南房総市和田町では7〜8月に26頭のツチクジラが水揚げされる。そのためくじらを使った料理が盛んであり、竜田揚げや刺身、カツなど多くの種類のくじら料理が味わえる。くじらの肉はほとんど油がなく低カロリーで高タンパク。和田町の鯨漁は400年も続いているようだ。
「くじら料理の店ぴーまん」のくじらカツカレー
和田浦駅から徒歩約6分の「くじら料理の店ぴーまん」
「さかな」のアジ刺・クジラカツ定食
和田浦駅から徒歩約11分の「さかな」
「喫茶マリン」のくじらカレー
「喫茶マリン」のくじら弁当
くじら料理が食べられる「喫茶マリン」。館山駅東口
和田浦海水浴場
わだうらかいすいよくじょう
和田浦駅から約500m
環境省の「日本海水浴場100選」に認定された海水浴場の一つ。水質は透明度が高く、波も穏やか。また貝殻混じりの白い砂浜が美しい。和田浦駅から徒歩約5分と近くアクセスも良い。
ビーチサイド
忠霊塔など
道の駅和田浦 WA・O!
みちのえきわだうら ワ・オ!
和田浦駅から約600m
豊富なお土産だけでなく、クジラの町「和田浦」ならではのクジラ料理を味わうことができる道の駅。鯨資料館を併設した南房総市和田地域センターが同じ敷地にある。和田浦駅のほぼ裏側に位置しており、ホームから見えるシロナガスクジラの骨格標本は当駅のシンボル的存在になっている。
全長26mあるシロナガスクジラの骨格標本
捕鯨砲
道の駅に隣接する南房総市和田地域センター。無料で入れる鯨資料館がある
鯨資料館
髭鯨の鯨髭
すごく・・・大きいです・・・
ツチクジラの頭部とコビレゴンドウの頭部
南房総市和田町では夏季を中心にツチクジラを捕獲する
テイクアウトメニューのくじらまん、くじらコロッケ
お食事処和田浜の「和田浜特製くじら丼」
くじら商品。地元で水揚げされたものはもちろん、全国のくじら商品と取り扱う
くじら畝須(うねす)ベーコン、くじらのたれ。畝須とは鯨の下顎から腹にかけてある縦筋の部分。くじらのたれとはくじらの肉をたれに漬け込んで天日干しした千葉県南房総の郷土料理
やわらか鯨カルビ
くじらジャーキー
稲荷大明神
いなりだいみょうじん
和田浦駅から約1km
国道128号線に接する高台に上にある小さな神社。高台にあるため願望に優れ太平洋や和田漁港を一望することができる絶景スポット。出入口は住宅街の細い路地にある。
路地にある階段を上って高台へ
太平洋を望む大パノラマ
和田漁港
南三原駅方面
小向ダム
こむかいダム
和田浦駅から約7km
南房総市の上水道用水の確保を目的に建造された堤高37mの重力式コンクリートダム。ダム湖の周辺には約1000本の桜が植えられていて桜の名所としても知られているようだ。
堤体
ダム湖
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外房線と内房線はどちらも千葉駅から始まって蘇我駅で分岐し、最終的に終点の安房鴨川駅で合流する形となっている。つまり両路線を利用することで房総半島をぐるっと一周できるのだ。
最終的に互いの路線は安房鴨川駅で合流することから一周の中間点は安房鴨川駅・・・ではない。
路線上の外房線は千葉駅が起点となっているが、内房線は千葉駅ではなく蘇我駅が起点となっている。内房線は千葉駅から乗ることができるが、「千葉」〜「蘇我」間は外房線に乗り入れて運行している形となる。
両路線の距離も外房線が千葉駅から安房鴨川駅まで93.3km、内房線が同じく123.2kmとなっている。内房線の場合起点が蘇我駅なので実際の距離は119.4kmである。つまり内房線の方が長く、千葉駅から安房鴨川駅まで行くのに時間がかかる。
内房線の方が長く外房線の方が短いということは、両路線の終点である安房鴨川駅は一周の中間点にはならないというわけだ。では実際はどこの駅が一周の中間点になるのだろう。
それは内房線「和田浦駅」である。両路線の分岐点である蘇我駅から和田浦駅まで内房線周りだと106.8km、外房線周りだと102.1kmとほぼ中間である。
つまり内房線「和田浦駅」「江見駅」「太海駅」「安房鴨川駅」の各駅は外房線周りのほうが近いことになるのだ。ただし距離が近いだけであって早く着くとは限らない。
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