御宿

おんじゅく

Onjuku

月の沙漠のモデルになった御宿海岸

所在地

千葉県夷隅郡御宿町

1日平均乗車人員

JR東日本(2021年)約360人

Train line

外房線

上り
大網・千葉方面

下り
勝浦・安房鴨川方面

普通

どんな駅?

御宿町唯一の鉄道駅。駅舎から跨線橋を渡った先がホーム。特急わかしお停車駅であり、全ての特急わかしおが当駅に停車する。

 

童謡、月の沙漠のモチーフになったと言われる御宿海岸の最寄り駅。御宿海岸には月の沙漠記念像や月の沙漠記念館が建てられており、海水浴場だけにとどまらない観光地となっている。

 

御宿という地名の由来は、鎌倉時代にこの地を訪れた北条時頼(ほうじょうときより)が風光明媚な景色を好み、現在の御宿町にある最明寺に宿泊した。その時に読んだ短歌の「御宿」がそのまま地名になったと伝えられている。

JR東日本
 

路線

外房線

千葉起点
65.4km

 

 

駅構造 地上駅

 

ホーム 1面2線

 

開業日 1913年(大正2年)6月20日

 

運営形態 業務委託駅

 

Stamp

設置場所 改札窓口

月の砂漠発祥地の駅。御宿駅から徒歩約10分の場所にある御宿町中央海水浴場は童謡「月の沙漠」のモデルになっている。海水浴場は夏場になると多くの海水浴客で賑わいを見せるだけでなく、月の沙漠記念像とその記念館がある。

設置場所 改札窓口

乗車記念。JR千葉支社管内の乗車記念スタンプである。

設置場所 WEBアプリ「TRAIN TRIP」で入手

月の沙漠記念公園。詩人 「加藤まさを」の童謡「月の沙漠」のモデルになった御宿海岸にある。月の沙漠に登場するラクダに乗る姫と王子の像。砂漠ではなく沙漠となっているが「沙」とは砂浜の意味を持ち、加藤まさをが結核を患い保養のために御宿海岸を訪れた風景から発想したとか。

Gallery

駅名標

駅名標2

縦型駅名標。外房線沿線にある町は一宮町と、御宿町

房総地区のホームにある東京から○○kmの看板。この距離は東京駅から総武本線または京葉線経由で当駅までの距離。どちらからでも距離は同じ。当駅は東京から104.6km。描かれているのは御宿海岸

ホーム。出入口と駅舎を跨線橋で移動する。屋根はホーム中程だけ。この辺りでは数少ないホーム上に冷暖房完備の待合室がある

ホーム浪花寄りにある海女の像。御宿町は海女漁が盛んであったが、現在はいないそう

ホーム上の待合室

側線

ようこそ御宿へ。メキシコ記念塔、月の沙漠記念像、月の沙漠記念館、伊勢海老

トイレ。改札を抜けてホームへ続く跨線橋の間にある

駅舎の中。簡易Suica改札機、券売機がある有人駅。みどりの窓口があったが2022年5月31日に営業終了した

駅舎の待合室の中。リゾート感漂う。冷暖房完備で快適

つるし雛、2022年。ひな祭りの時期に御宿町で開催される「おんじゅくまちかどつるし雛めぐり」に伴い、当駅の待合室に飾られる。子供達の健やかな成長、見た人が元気になる事を願う

つるし雛、2023年。勝浦市のかつうらビッグひな祭りと御宿町のおんじゅくまちかどつるし雛めぐりはほぼ同時期開催。隣り合う2つの自治体がひな祭りに染まる

御宿の青い海をイメージして作った「おんじゅくブルー」のつるし雛

駅前。立ち並ぶ木々が南国風。駅前にドラッグストア「ヤックスドラッグ」が立地。御宿町中央海水浴場(月の沙漠記念公園)まで徒歩約10分

駅の横に観光案内所

御宿駅の文字。左上は月の沙漠をイメージし、月の満ち欠けとラクダのデザイン

Spot

御宿町中央海水浴場

おんじゅくまちちゅうおう

かいすいよくじょう

御宿駅から約800m


童謡「月の沙漠」のモデルとなった場所。これに因みに砂浜には月の砂漠記念像、隣接する形で月の沙漠記念館が立地している。2kmにも及ぶ広大な砂浜に加え美しい海岸と穏やかな波が特徴。シーズンの時は多くの海水浴客で賑わいをみせる。また夏期には隣接するプール「御宿町営ウォーターパーク」が開園する。

月の沙漠記念公園

月の砂漠記念像は、ラクダに乗った王子さまとお姫さまをかたどった銅像。 昭和44年に月の沙漠発祥を記念して建てられた。

上手く撮れば本当に沙漠みたいに見える

曇りver

ONJUKUモニュメント

ビーチサイド

ビーチサイドに詩人「加藤まさを」の作品が書かれている

月の沙漠記念像付近にある御宿町営ウォーターパーク

御宿アミーゴおんじゅく(大サボテン像)

月の沙漠にまつわる様々な展示がある月の沙漠記念館。ミュージアムショップには無料で入ることができ、限定グッズが販売されている

限定グッズのマグネット

ピンバッジ

つるし雛の企画展。御宿町商工会女性部が制作したもの

 

つるし雛2

つるし雛3

メキシコ記念塔

メキシコきねんとう

御宿駅から約2.5km


かつての御宿町岩和田の人々が沈没したサンフランシスコ号の乗員を助けたことを記念して建てられた塔。スペインのドン・ロドリゴ一行を乗せたサンフランシスコ号は、フィリピンからメキシコに向け航海中に台風に合い田尻海岸沖に座礁してしまうが事件を知った御宿町岩和田の人々の救助活動により一行は救助され一命を取り留める。この出来事があってから日本とメキシコとスペインと三国の交通が始まったといわれる。

抱擁(ほうよう)の像。冷え切った漂着者を岩和田村の女性が素肌で温め蘇生させている姿を表現する

高台から見る景色

ロペス・メキシコ大統領来訪記念碑。1978年11月1日、メキシコのホセ・ロペス・ポルティーリョ大統領が御宿町に国賓(こくひん)として来日した

左からスペイン・日本・メキシコの国旗

御宿町歴史民俗資料館

おんじゅくまちれきし

みんぞくしりょうかん

御宿駅から約250m


御宿町にまつわる歴史的資料や民具、漁具、ゆかりの人物についての資料を収集・展示する。これまでの生活を築いてきた文化財が忘れ去られることがないよう、末永く保存するために当資料館が建設された。入館料は無料である。

岩和田の田尻海岸沖で座礁したガレオン船の模型。ドン・ロドリゴ一行が乗船していた

遭難異国人救助の図。ドン・ロドリゴ一行373名は台風による船の座礁で田尻海岸沖で遭難する。当時の御宿町の人々は総出で駆けつけ救助にあたった

農耕用具コレクション

昭和の暮らし

大波月・小波月海岸

おおはづき・こはづきかいがん

御宿駅から約2.5km


100mにも満たない小さな海岸ではあるが眺望が素晴らしい景勝地。大波月海岸からはロウソク岩と呼ばれる岩が見え、優美な景色を美しく引き立たせる。海岸まで続く道は足場が悪い箇所があるので注意。海女の作業地帯でもあるようだ。大波月海岸と小波月海岸は近隣にあるが繋がっておらず、一度道路に出て移動する必要がある。

大波月海岸から見えるロウソク岩

大波月海岸、波は強め

小波月海岸

小波月海岸2

ドン・ロドリゴ上陸の地

ドン・ロドリゴじょうりくのち

御宿駅から約3km


1609年、スペインのドン・ロドリゴ一行を乗せたサンフランシスコ号はフィリピンからメキシコへの航海途中に台風に合い、ここ田尻海岸の沖で座礁し遭難する。この事件を知った御宿町岩和田の人々は総出で救助活動を行う。当時の岩和田の人口は300人程で助かった人は300人以上。部落の生活は貧しいものだったが心の優しい人々は自分の事よりも他人の難儀を救うために、大切な着物や食べ物も分け与えた。

海洋生物環境研究所の横にドン・ロドリゴ上陸の地の出入口がある

研究所の向かい側に駐車場がある

上陸の地に着いた

碑が建っている

この海岸ではがけ崩れや落石がある上にスマホが圏外になるぐらい電波が悪い。ロープが張られており海岸に下りるのは危険

海岸の反対側を眺める

←NEXT→

Column

御宿海岸の歌碑

 

おんじゅく

 

小麦色の砂浜に どこまでも続く足跡 砂山の椰子(やし)の木陰に 君と振り返る汀 白い波が楽しそうに 微笑んで歌い続ける 岬の上の白い塔が ずっと二人を 見守っている。

 

月見草の花が揺れて 潮風が囁く(ささやく)夕べ 燈台が消えては光る 遠い沖の彼方 君の眸(ひとみ)に映る光が いつか頬に流れて― 寄せ、返す、波が いつまでも昏い(くらい)汀に むせび泣く

 

月の沙漠の歌に あるような砂原を どこまでもどこまでも 二人はたゞ(ただ)うつむいて 砂に足跡を刻む。 駱駝(らくだ)に乗った王子と姫は 何を思うか砂山に― 黙って二人を 見おろしている 黙って二人を 見おろしている。

 

浜で見つけた桜貝を 冬の炉辺(ろへん)で耳にあて 月夜の海の音を聴いて 想出(おもいで)に耽る(ふける)― 砂に書いた君の名前も 砂山に続く足跡も 浜昼顔も月見草も みんなみんな 忘れられない。

 

御宿の砂山よ、 今年もまた夏がおわり なつかしい椰子の並木に 秋の風が吹き やがて、冬の冷たい波が 長い汀を洗うだろう あゝ、あゝ、御宿の海よ、 また来る夏を楽しみに。

 

泪(なみだ)と砂文字

 

拭いても拭いても すぐに湧く 泪よ。― 消しても消しても すぐに浮かぶ 君が俤(おもかげ)の如く。 書いても書いても すぐに消ゆる 渚の文字よ。― 築いても築いても 崩れて消ゆる わが蹄(ひづめ)の如く。

 

 

静かなる 海の上に 月ひとつ のぼりぬ。 朝な朝な臥床(ねどこ)に醒むる(さむる) 吾(わが)胸に いち早く 浮び来る。 遠く 聖かなる君が俤の如く。

 

さくら貝

 

咲いて、くずれた コスモスの 赤い小さな 花びらか。 それとも、涙 知り初めし 少女の夢の ひときれか。 朝の渚に ほのぼのと まどろむような さくら貝。

 

濱風(はまかぜ)

 

知っているのは 風ばかり。 誰かのついた 嘆息(たんそく)と、 磯に流した 文殻と。 夏の夕べの 月見草。 葩(はな)を揺すって 吹いてゆく、 知っているのは 風ばかり。

 

薔薇と月見草

 

薔薇を構おなら 花薔薇 やがて眞紅(しんく)な 花が咲きや かなしい春の明暮(あけくれ)に 君の唇思い出す。 種を蒔(ま)こなら 月見草 夏の夕べが 寂しくも 月にほのかな 花をみりゃ 君の涙は忘りゃせぬ。

 

←NEXT→