東京駅

Column

京葉線北有楽町駅

 

 

多くの路線が乗り入れる東京駅だが京葉線だけやたらと離れた位置にあるのは有名な話。その距離は東京駅の北端から京葉線ホームまで約600m、東京都内の一駅分の距離に相当し同じ東京駅なのに乗り換えに徒歩10分はかかると思われる。各種路線の東京駅よりも有楽町駅寄りに位置しており、有楽町駅から歩いたほうが早い、という人もおり有楽町駅から行くルートもネットで公開されている。あまりにも東京駅から遠いため一部界隈では「北有楽町駅」と呼ばれるほどだ。

 

 

京葉線ホームとJRの各種在来線までは長い連絡通路で結ばれており、少しでも歩く負担を減らすために動く歩道が設けられている。それでもやはり乗り換えが面倒くさいと思う人は少なくないはずだ。あまりにも不便すぎる、なぜここが東京駅なんだ。もういっそのこと北有楽町駅に変えてしまえ。

 

どうして京葉線だけこんなところを通っているのか、なぜ近くに造らなかったのか。理由はちゃんとある。

 

これは東京駅と成田空港を結ぶ「成田新幹線」という計画の名残である。新宿や中央線方面に延伸可能な構造にしつつ近隣にある皇居を避けられるよう、現在の位置で工事が始まった。

 

しかし国鉄の採算性や財政悪化、さらに沿線住民の反対により計画がお蔵入り。工事が凍結してしまう。

 

一方で貨物線として開業した京葉線は湾岸地域の著しい発展は東京ディズニーランドの開園により、旅客線として運行されることが決まった。その際に都心側の起点として東京駅の成田新幹線設置予定地を活用し、京葉線のホームを設置した。

 

 

そして後ほど、京葉線東京駅として開業したのだった。離れすぎた京葉線ホームのルーツとはお蔵入りになった成田新幹線計画の名残だったのだ。

 

京葉線東京駅から有楽町駅まで歩く

 

 

東京ディズニーリゾートへのアクセスには欠かせない京葉線だが、京葉線東京駅は他の路線から離れた場所にあるため乗り換えに時間がかかる。上記のコラムでも書いたが東京駅の京葉線は他路線に比べると有楽町駅寄りに位置している。

 

つまりこれは京葉線東京駅から有楽町駅に歩いて行けるということ。今から紹介するのルートを使えば京葉線からの乗り換え時間が約10分から約5分に短縮できると思われる。

 

 

京葉線ホームからエスカレーターでB1Fへ、ここで京葉地下八重洲口改札を出ます。この改札は利用客が少ないためか無人の時間帯が多いです。改札を出たら右に曲がります。

 

 

丸の内3丁目方面 出口2の階段を上り、外に出ます。

 

 

階段を上り外に出ました。

 

 

出てきた出入口はこんな感じです。まるで取り残されたような東京駅の出入口・・・。

 

 

JR有楽町駅 ガード下を徒歩3分という案内があります。3分と聞くとかなり近いと思いませんか?

 

 

案内に従ってガード下を進みましょう。ガード下には飲み屋が多いです。

 

 

ガード下を抜けると横断歩道に差し掛かります。ココを渡れば有楽町駅は目の前です。

 

 

というわけで有楽町駅の京橋口に着きました。有楽町駅は山手線・京浜東北線・東京メトロ有楽町線が利用できるのでここで乗り換えましょう!!

 

このルートは外に出るため雨に濡れてしまうという欠点がありますが、同じ東京駅よりも近いです。乗り換えできる路線数にも劣りますが近いに越したことはありません、京葉線東京駅をご利用の方はこのルートを是非ともご検討ください。なおこれはJR公認ルートのようです。

 

Re:ゼロから始まる鉄道路線

 

 

鉄道路線には必ず路線のスタート地点である「起点」、路線の終着点である「終点」が設定されている。路線の距離はキロメートルの単位で表示されるので路線の起点となる場所はすなわち0キロ、起点となる場所には0キロポストと呼ばれる距離標が設置されこの路線の起点がどこなのかを示している。

 

起点となる駅は日本全国にたくさんあるが複数の路線の起点を持つ駅は少ない。が、日本を代表するターミナル駅である東京駅は複数の在来線や新幹線が乗り入れ、多くの鉄道路線の起点を担っている。そのため東京駅には0キロポストがたくさんあるのだ。今回は東京駅にある0キロポストを見てみよう。

 

 

中央本線

 

1番線中央快速線ホームにある。中央本線は東京駅から愛知県名古屋市の名古屋駅まで約396km。中央線と聞くと高尾駅や大月駅ぐらいまでと思う人も少なくはないと思いますが、遥か遠くの愛知県まで続いているのです。

 

東海道本線・東北本線

 

 

1枚目は6番線上野東京ラインホームと7番線京浜東北線ホームの間、2枚目は4・5番線の山手線ホームの間にある。東海道本線は東京駅から兵庫県神戸市の神戸駅まで約589km、東北本線は東京駅から岩手県盛岡市の盛岡駅まで約535km先に渡り続いている。

 

東海道新幹線

 

東海道新幹線は16・17番線ホーム、18・19番線ホーム上に星形の0キロポストが刻まれている。東京駅から大阪府大阪市の新大阪駅まで約515km。

 

東北新幹線

 

東北新幹線は20・21番線ホーム、22・23番線ホーム上に大理石の0キロポストがある。東京駅から青森県青森市の新青森駅まで約674km。

 

横須賀線

 

横須賀線は総武地下の1・2番線ホーム上に刻まれる。ただ横須賀線はあくまでも運行形態上での起点であり、実際の横須賀線は神奈川県鎌倉市の大船駅から同じく横須賀市の久里浜駅まで約24km。

 

京葉線

 

京葉線は京葉地下のホーム上に刻まれている。東京駅から千葉県千葉市の蘇我駅まで43kmとなっている。

 

いかがだっただろうか。東京駅は0キロポストの宝庫なのである。ここでは紹介しなかった普通の距離標もあるが、東京駅では0キロポスト(距離標)がモニュメントになっていたり地面に刻まれていたりと特別感が感じられる。この0キロポストから続く線路は果てしないものばかり。線路の先にはどんな世界が広がっているのだろう?何が待っているのだろう?冒険心を引き立てる。

 

ここから旅を始めましょう。一から、いいえ、ゼロから!

 

南北の懸け橋

 

 

2015年3月14日に開業した「上野東京ライン」は宇都宮線・高崎線・常磐線が東海道線と直通運転を行う系統路線であり、乗り換えなしで東京都心の東側を南北に横断するというものだ。

 

 

もともと宇都宮線・高崎線・常磐線は上野駅、東海道線は東京駅が終点であり、これらの路線を跨いで利用するためには一度山手線や京浜東北線に乗り換える必要があった。しかし上野東京ラインが開業すると乗り換えの手間がなくなっただけでなく、所有時間も短縮された。

 

上野東京ラインの開業は並走する山手線と京浜東北線の混雑緩和ももたらした。最も混雑する区間である「上野」〜「御徒町」間は230%と高いものであったが、後に170%まで減少した。これは乗り換え不要で東京都心を横断できるようになったため、山手線と京浜東北線に乗り換える必要が少なくなったからだ。

 

※京浜東北線は土休日ダイヤ快速運転時

 

さらに都心部では山手線と京浜東北線の快速線としての役割を持つ。都心部の停車駅は普通(各駅停車)でも上野・東京・新橋・品川と主要なターミナル駅に絞られているため、速達性が高い。京浜東北線は快速運転が元々行われ、山手線における快速線の役割だったが上野東京ラインの開業により停車駅が見直され神田、土休日に限り御徒町が停車駅に加わった。神田駅は中央線との乗り換え、御徒町駅の停車はアメ横商店街の利用客のために停車を決めたとのこと。

 

と、挙げたように上野東京ラインの開業は首都圏の鉄道ネットワークに大きな変化をもたらし、利便性を格段に上昇させたのだ。乗り換えなしで北関東・都心部・神奈川県を横断できるようになったのは素晴らしい。

 

ここまでまとめるとメリットしかないように思えるが、デメリットもいくつか存在することも忘れてはならない。

 

まずひとつ、直通運転を開始したことにより終着駅だった上野駅と東京駅が途中駅になり、座席の確保が難しくなったこと。

 

 

次に行き先が長距離化したため北は宇都宮や高崎、南は熱海など乗り過ごしてしまうと遥か遠くまで連れていかれる。広範囲に乗り換えなしで行けることが裏目に出てしまっている。

 

 

また直通先が多岐に渡るため、人身事故等でダイヤが乱れると広範囲で遅延や運休などを巻き込む。こうなった場合直通運転を取り止め、上野駅や東京駅で折り返し運転を行う。

 

以上のようなデメリットがあるが、座席に座りたいならお金を出してグリーン車を利用する(それでも座れないかもしれないが)、眠かったら乗り過ごさないようにアラームをセットすることで対処は可能である。ダイヤ乱れはどうにもできないので発生してしまったら運が悪かったと受け入れるしかない。

 

東北縦貫線

 

2015年3月14日に開業した「上野東京ライン」は宇都宮線・高崎線・常磐線が東海道線と直通運転を行う系統路線であり、乗り換えなしで東京都心の東側を南北に横断するというものだ。

 

もともと宇都宮線・高崎線・常磐線は上野駅、東海道線は東京駅が終点だったが「上野」〜「東京」間に新たに線路を敷設して、これらの路線を乗り入れさせ直通運転を可能にした。

 

 

この連絡線は「東北縦貫線(とうほくじゅうかんせん)」と呼ばれ、神田駅付近で東北新幹線の高架橋の上に新たに上野東京ライン用の高架橋を建設した線路である。

 

神田駅周辺は土地の確保が不可能、地下は横須賀・総武快速線が走っているためにそちらを走るルートになってしまい、横須賀・総武快速線との本数の兼ね合いが発生、さらに地下に通すと費用が高騰してしまうため、東北新幹線の上を通るルートになったのである。

 

 

因みに東北新幹線が開業する前、「上野」〜「東京」間は回送列車や貨物列車を走らせるための「回送線」が存在していた。しかし東北新幹線の敷地として転用が決まったため、取り壊されている。つまり上野東京ラインが開業する前から「上野」〜「東京」間は繋がっていたのだ。

 

また東北新幹線の高架橋は回送線の再敷設を想定した構造で建設されていた。しかし33%という急勾配になってしまうために当時の国鉄の車両がこの坂を上りきれるかの問題があったため、長らく使用は見送られていた。後に国鉄がJRになると急勾配を上れる車両が多く誕生したため、この線路の着工を可能としたのだった。つまり今回の東北縦貫線は再敷設可能な構造を活かして建設したということになる。急勾配な様子から「神田峠」と呼ばれることがあるとか。

 

なお回送線は全て取り壊されたわけではなく、上野駅は留置線、東京駅は引き上げ線が残り、使用されていたようだ。そこで上野東京ラインの開業に伴いこの線路の一部を本線用に転用することに決める。しかし残っていた線路はあくまでも回送用だったため簡素な作りであり、本線として使えるように強固な軌道に作り替えた。

 

東北縦貫線の建設は東京都心に通勤通学が多い埼玉県・千葉県・茨城県の各自治体から賛成の声が挙がったが、東北縦貫線の建設される神田地域の住民・勤務者からは反対の声が出た。騒音や振動、日当たり、災害発生時の安全性によるものだった。

 

これに対しJRは建設作業騒音及び建設作業振動を基準以下にするため、騒音や振動の少ない工法や機械を採用、さらに騒音対策として御徒町駅付近では防音壁を高さ4mまでかさ上げした。高さがあるため風圧の影響を受けやすくなっているため、風圧に耐えられるようにL字型の支柱を線路下まで埋め込んだ。

 

 

また高架橋の上にさらに高架橋を建設するため、日照権の問題も生じる。これは防音壁に透光板を採用することで日光の遮断を抑え、周辺の建物に定められた日影の基準を満たした。

 

そして安全面だが地質調査を事前に行ってから設計、耐震性の向上を図り橋脚に補強を施す、桁の軽量化をするなどして阪神淡路大震災レベルの地震にも耐えられる構造物にした。さらに桁の一部を在来線側に寄せ周囲に配慮した。

 

本来は2009年に開業する予定だったが神田地区の反対運動により着工が遅れただけでなく、2011年に東日本大震災が発生した影響で完成予定が2014年度まで伸びてしまった。そして予定から6年遅れた2015年3月に新線を「上野東京ライン」と名付け、開業した。費用はJR東日本が全額負担で約400億円である。因みに騒音対策で100億円ほど費用がかさんでいる。

 

 

当初は秋葉原駅にも停車する予定だったが、構内工事費用としてホームを設置する場合が120億円、しない場合が30億円と安上がりになるため、停車しなくても利益にほぼ差が出ないと判断した結果通過となった。また用地の問題もあるらしい。

 

普通列車グリーン車に乗るっ

 

JRの路線で運行される普通列車の中にはグリーン車と呼ばれる特別な車両が備え付けられている。

 

 

グリーン車は車両全体から見て中心の4・5両目に2両分あり、中は通常の車内に比べて遥かに豪華な設備となっているのだ。

 

 

座席はリクライニング式のシートで回転し向かい合わせにする事ができ、座席の後ろには折り畳みのテーブルがついている。さらに軽食や飲み物を販売する車内販売も回ってくる。(車内販売がない区間もある)

 

この快適なグリーン車を利用するためには運賃とは別に、グリーン券と呼ばれる別途料金が必要となるので注意。快適さを求めるのならそれに見合った対価が必要なのだ。

 

ここからはグリーン券の購入の仕方とグリーン車の乗り方について詳しく解説していく。

 

なおグリーン券にはきっぷの「磁気グリーン券」Suicaにグリーン券情報を書き込む「Suicaグリーン券」の2種類があるのだが、Suicaグリーン券はその仕様上車内改札(乗車券の確認)が省略される。この理由の他にも便利な点があり、利便性はSuicaグリーン券の方が上回るため今回はこちらを解説する。

 

 

1・グリーン券券売機を探す

 

 

まずはグリーン券を購入するために駅でグリーン券券売機を探す。券売機で買うことができるが、Suicaグリーン券はホームに設置されているSuicaグリーン券券売機で購入が可能だ。この券売機はグリーン車の乗車位置に合わせてホーム中程にあることが多い。(設置されていない駅もある)

 

 

2・Suicaグリーン券を購入する

 

 

Suicaグリーン券券売機を見つけたらSuicaを券売機の青く光る部分におく。

 

 

するとこのような画面になるので左のSuicaグリーン券をタッチする。

 

 

次に路線図が表示されるので、行き先の路線をタッチする。

 

 

すると路線の駅がずらりと表示されるので、降車する駅の駅名をタッチする。駅名の下に料金がかかれており、この料金がSuicaチャージ残額から差し引かれる。

 

 

これでSuicaグリーン券の購入ができたことになる。なお料金は乗車駅からの移動距離が50kmまでかそれ以上か、平日か土日祝かによって以下のように変動する。

 

 

営業キロ 平日

ホリデー
(土日祝)

50kmまで 780円 580円
51km以上 1,000円 800円

 

もしSuicaチャージ残額が不足している場合は、グリーン券券売機で千円札1枚1000円分のチャージのみが可能である。もし急に乗りたくてチャージ残額が足りなくても安心だ。

 

 

3・グリーン車に乗る

 

 

Suicaグリーン券を購入したらグリーン車の乗車口に向かう。グリーン車は全ての路線で4・5号車に統一されており、ホーム中程に乗車口の案内がある。

 

ここで注意したいのが両数と路線。11両や15両、10両や15両と両数によってグリーン車の乗車位置が変わったり、1つのホームで複数の路線が発着する駅では路線に応じて乗車位置が変わったりする。発車標であらかじめ何両編成なのかなどを確認しておきたい。

 

 

電車が来たらグリーン車に乗り、好きな座席に着席する。

 

 

ここで座席の上を見るとランプとSuicaグリーン券の読み取り部分がある。この読み取り部分にSuicaをタッチするとランプが赤から緑に切り替わり、Suicaグリーン券を使用していると見なされる。

 

 

巡回するグリーンアテンダントはこのランプでSuicaグリーン券を使用しているかを判断するので、緑色になっていれば車内改札は省略される。これでグリーン車に乗車完了となる。

 

 

4・グリーン車から下車する

 

下車する駅についたらそのまま下車してOKだ。降りる際にSuica読み取り部にタッチする必要はない。

 

 

というのがグリーン車利用の一連の流れになる。仕組みを理解すれば難しいものではない。グリーン車をうまく利用してちょっと贅沢、快適な移動をしていこう。

 

最後にグリーン車を利用したい時に起こりうる状況についていくつか解説しておく。

 

 

・席を移動したい
グリーン車に乗っている時、席を移動したくなるような場面に遭遇するかもしれない。臭い、うるさいなど

 

そういう時は移動先の座席でSuica読み取り部分をタッチする。そうすればランプが緑に切り替わる。

 

 

・Suicaグリーン券を買わずにグリーン車に乗った

 

電車が来た瞬間唐突にグリーン車に乗ってしまったり、券売機が混雑してグリーン券が買えなかったなどの理由でグリーン券を持たずに乗ってしまう事があるかもしれない。

 

こういう時は回ってくるグリーンアテンダントに車内でグリーン券を販売してもらう。ただし車内での販売価格は通常より260円高くなるので注意だ。手間賃かもしれない。

 

 

・今いる路線のグリーン車から別路線のグリーン車に乗り換える

 

グリーン券は今いる路線の駅だけでなく、乗り換え先の路線の駅も買うことができる。

 

例えば総武快速線の千葉駅から東京駅で下車して東海道線の藤沢駅まで行きたいとする。

 

まずは千葉駅で藤沢駅までのSuicaグリーン券を買う。総武快速線の東京駅まで通常通りSuica読み取り部にタッチしてグリーン車を利用する。

 

東京駅で下車する時、Suica読み取り部にタッチ。東海道線に乗り換え、東海道線のグリーン車でSuica読み取り部にタッチする。これだけで完了だ。

 

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