上野駅

Column

メガフロート上野駅

 

 

東京屈指の利用客を誇る上野駅と東京駅。駅は大規模なものであり多くの路線が乗り入れ、地上はもちろん地下にも駅が広がっている。

 

実はこの2駅、ぱっと見ではわからない大きな問題を抱えているのだ。

 

駅の混雑?ホームの構造?設備などの老朽化?どれもありそうだが今回話す内容はこれ以上に大きなものかもしれない。

 

東京駅と上野駅が抱える問題、それは駅が水で浮かんでいることだ。

 

 

駅が水に浮かんでいるとはどういうことだと言いたくなるがこの駅は間違いなく浮いている。東京駅と上野駅どちらも水とは無縁の場所だが水の上に浮いている。

 

 

東京駅と上野駅の地下深くにはホームがあり、その空間は地下を流れる地下水の影響を常に受けているのだ。

 

水には中には入った物体を上に持ち上げる浮力という力がある。当然だが水に浸かったままだと常に浮力が働いている。

 

かつて都市部では建築のために地下水を汲み上げていた。しかし汲み上げすぎたのか地下水位が下がり、地盤沈下などが各地で発生。そのため現在では地下水の揚水規制が制定され必要以上に地下水を汲み上げることが禁じられた。これにより地下水の水位が徐々に回復した。

 

回復したのはいいのだが東京駅と上野駅の地下は揚水規制が制定される前に建設されたため、設計当初は地下水位が低い状態だった。しかし制定後は水位が上昇したため東京駅と上野駅の地下は結果的に地下水の浮力が大きく働くようになり、駅そのものを持ち上げてしまうほどまでになった。

 

 

東京駅の総武線ホームは地下27m。建設当初の地下水位は地下35m、揚水規制の効果が現れると地下15mまで上昇した。すなわち総武線ホームは地下水に沈んでいることになる。

 

都心部屈指のターミナル駅である東京駅と上野駅が崩壊してしまえば影響は計り知れない。浮力による上昇を防ぐためJR東日本は次のような対策を行うことにした。

 

 

まずは東京駅。1本あたり100トンの浮力に耐えられるアンカー(イカリ)を地下駅側面から18mの深さまで深部の固い地層に打ち込む。これによって上昇を防いでいるのだ。なおこの計画には6億円の費用がかかっている。

 

 

因みに東京駅の総武線ホームのタイルに一部違う色のが混じっているが、この違う色のタイルの下にアンカーが打ち付けられているらしい。

 

 

上野駅では新幹線ホームに3万7千トンのオモリに加えて東京駅と同じアンカーを603本打ち込んでいる。上野駅の地下水は東京駅よりも深刻なのだろう。

 

大がかりな計画だがそれほど地下水のパワーがスゴイのだろう。必要以上に駅が浮かないように押さえつける、これは水に浮かぶ船と同じなのだ。

 

上野中央通り地下歩道

 

 

上野駅・京成上野駅の2駅は至近する乗り換え駅。そして上野広小路駅・上野御徒町駅・御徒町駅・仲御徒町駅の4駅は同一駅として扱われている。

 

実はこの計6駅、上野中央通り地下歩道という地下通路で全て繋がっているのだ。(御徒町駅はちょっと地上を歩く)上野駅からこの地下歩道を利用すれば上野御徒町駅の都営大江戸線を乗り換え路線に加えることが可能で、ちょっとした裏技になるのだ。

 

上野広小路駅は銀座線、御徒町駅はJR線、仲御徒町駅は日比谷線と上野駅で全て利用できる路線なのでこれらの駅に乗り換えるメリットは薄い。だが、頭に入れておくと役に立つかもしれない。今回は上野駅から上野中央通り地下歩道を歩き、繋がっている全ての駅に行ってみよう。

 

 

JR上野駅-東京メトロ上野駅-京成上野駅

 

 

JR上野駅中央改札口の外です。ここから最も遠い仲御徒町駅に向かって全ての駅を経由していきます。まずは地下に行きましょう。

 

 

中央改札口付近には地下への階段があります。ここを下ると東京メトロ銀座線・日比谷線の上野駅に行けます。

 

 

地下に入りました。ここで下ってきた階段の向かい側に行くと銀座線・日比谷線の上野駅があります。

 

 

銀座線の改札はすぐそこですが、日比谷線はもう少し先です。今回日比谷線ルートは割愛させていただきます。

 

 

先ほどの黄色い矢印の方向へ進みます。先にある上り坂に行くと地上にある上野駅不忍口に出てしまうので進路を変えます。

 

 

高級感(?)のある柱がある所に出たら右に曲がります。右には銀座線の改札があります。

 

 

「2」と書かれた銀座線の改札の前を通ります。

 

 

すると「6」という数字の先に通路が伸びており、京成上野駅と書かれた看板があります。この先に進みます。

 

 

通路の先まで行くと道が二手に分かれます。ここで床に書かれた紫色の「KS」などが書かれた案内表示の方向に進むと京成線「京成上野駅」に出ます。

 

 

京成上野駅に出ました。成田空港方面はコチラから。

 

 

京成上野駅-上野広小路駅-上野御徒町駅-JR御徒町駅

 

 

先ほどの京成上野駅とは反対側の黄色い矢印の方向に進みます。ここからは上野中央通り地下歩道となり、ここを進むと都営大江戸線「上野御徒町駅」などがある御徒町方面に行くことができるのです。ここに出たら右手にある下り階段、エスカレーターを下りましょう。

 

 

人通りが少ないです。

 

 

上り階段、エスカレーターには行かず地下通路を進みます。

 

 

この通路は2009年3月にできたもので上野と御徒町を結ぶ役割があります。この通路の地上には商店街である「アメヤ横丁」が広がっており、こんな何もない通路よりアメヤ横丁を見て移動した方が楽しいです。とはいえこの通路は雨除けになります。

 

 

上野広小路 御徒町方面という案内板があります。その横には利用できる4路線が書かれています。

 

 

長い直線の通路の先に分かれ道があります。少し分かりづらいですが、ここではスロープの隣にある階段を上ります。

 

 

再び分かれ道です。ここで青い矢印の方向には上り階段、エスカレーターがあり、銀座線「上野広小路駅」があります。

 

 

上野広小路駅に行ってみましょう。

 

 

銀座線「上野広小路駅」に着きました。しかし銀座線は先ほどの上野駅で利用でき、ここまで一駅なので、上野駅からわざわざここまで来る必要はないです。

 

 

黄色い矢印ルートに戻ります。ここで大江戸線「上野御徒町駅」の改札があります。上野駅から地下歩道を利用することで大江戸線を乗り換え駅に加えることができる、最も実用性のあるルートとなります。

 

 

再び黄色い矢印ルートに戻ります。大江戸線の改札の先の通路にあるJR線「御徒町駅」と日比谷線「仲御徒町駅」はどちらも上野駅で利用できる路線のため、この先に行く必要性は薄いです。が、参考程度に。

 

大江戸線の改札の先にはT字型の分かれ道があります。ここで都営定期券うりばの紫の柱(なくなっていたらすいません)の方向にある通路に進むと、山手線・京浜東北線の「御徒町駅」に行くことができます。

 

 

御徒町駅と地下通路は繋がっておらず、ほんのちょっとだけ地上を歩きます。目の前の高架がJR線となっています。

 

 

御徒町駅に到着です。山手線・京浜東北線が利用できますが、上野駅の隣なのでわざわざここまで歩いてくる必要性はないです。

 

 

JR御徒町駅-仲御徒町駅

 

 

黄色い矢印ルートに戻ります。次は最後となる日比谷線「仲御徒町駅」です。二手に分かれるところでは階段、エスカレーターを上らず地下通路を進みます。

 

 

通路を進み、仲御徒町駅に到着しました。ここが上野中央通り地下歩道最後の駅となります。ここは上野駅から最も遠いだけでなく、日比谷線は上野駅で利用できます。しかも一駅・・・・。

 

以上が上野中央通り地下歩道で繋がっている6駅となります。少し歩きますが上野駅から大江戸線が利用できるメリットがあるのでなかなか実用性があります。あとは雨天時の雨除けとして覚えているといいかもしれませんね。

 

←NEXT→

常磐線快速(上野東京ライン)

 

品川-新橋-東京-上野-日暮里-三河島-南千住
北千住-松戸--我孫子-天王台-取手