成田駅
Column
成田線に乗り入れる総武線の快速列車は成田空港へのアクセス路線としての顔、「千葉」〜「成田」間は都心への通勤路線としての顔があり、平日朝には通勤快速と呼ばれる快速の上位列車が運行されている・・・されていた。
この通勤快速は2022年3月12日のダイヤ改正で廃止されてしまっているのだ。平日朝に成田発と成田空港発の東京行き、同じく夜に東京発成田行き2本、計4本の運行だった。
1994年12月3日に新設されてから2022年3月12日まで、28年間通勤客を運び続けていた通勤快速。運用に着いていたのはほとんどがE217系であり、2020年12月21日にデビューしたE235系が通勤快速になることは少ししかなく、わずか2年で幕を閉じた。
通勤快速の停車駅は成田空港・空港第2ビル・成田・酒々井・佐倉・四街道・都賀・千葉・船橋・錦糸町・馬喰町・新日本橋・東京である。物井・東千葉・稲毛・津田沼・市川・新小岩を通過する。
上り通勤快速は逗子行きと大船行きだが、東京から先の横須賀線内は各駅に停車する。下りの通勤快速は2本共東京発成田行きであり成田空港駅までは行かない。なお総武線の直通先である横須賀線には通勤快速の設定がないという特徴がある。
ここからは通勤快速と快速でどのぐらい東京駅までの時間差があるのか比較してみよう。時刻表は通勤快速が廃止される前の2022年3月11日現在のものとする。まずは成田発通勤快速大船行き。
成田発通勤快速大船行き
- 成田6:45
- 酒々井6:51
- 佐倉6:58
- 四街道7:06
- 都賀7:10
- 千葉7:15
- 船橋7:28
- 錦糸町7:46
- 馬喰町7:50
- 新日本橋7:52
- 東京7:54(着)
成田駅から東京駅まで
1時間9分
次に比較対象として近い時間に運行される快速を見てみよう。
快速東京行き
- 成田6:57
- 酒々井7:04
- 佐倉7:10(着)
- 佐倉7:18(発)
- 物井7:22
- 四街道7:26
- 都賀7:30
- 千葉7:36
- 稲毛7:40
- 津田沼7:47
- 船橋7:52
- 市川7:58
- 新小岩8:04
- 錦糸町8:09
- 馬喰町8:13
- 新日本橋8:15
- 東京8:18(着)
成田駅から東京駅まで
1時間21分
通勤快速と快速でだいぶ差が見られ、こちらは通勤快速のほうが12分も早い。快速のほうは佐倉駅でしばらく停車時間があるので当然と言えば当然か。
次に成田空港発通勤快速逗子行き。
成田空港発通勤快速逗子行き
- 成田空港7:22
- 空港第2ビル7:25
- 成田7:38
- 酒々井7:45
- 佐倉7:51
- 四街道7:59
- 都賀8:03
- 千葉8:09
- 船橋8:22
- 錦糸町8:39
- 馬喰町8:43
- 新日本橋8:45
- 東京8:48(着)
成田駅から東京駅まで
1時間10分
次に近い時間の快速。
快速久里浜行き
- 成田7:12
- 酒々井7:19
- 佐倉7:25
- 物井7:29
- 都賀7:37
- 千葉7:42
- 稲毛7:47
- 津田沼7:54
- 船橋7:58
- 市川8:05
- 新小岩8:10
- 錦糸町8:16
- 馬喰町8:20
- 新日本橋8:23
- 東京8:25(着)
成田駅から東京駅まで
1時間13分
おや?3分しか変わらないぞ?先ほどの快速は佐倉駅での停車時間があったから遅くなっていただけで、停車時間がなければ通勤快速とほぼ同等の所有時間なのだ。通勤快速は先行列車を追い抜きしないことも要因となっている。
次に下りの通勤快速を見てみよう。東京発成田行きだ。
東京発通勤快速成田行き
- 東京19:52
- 新日本橋19:54
- 馬喰町19:56
- 錦糸町20:01
- 船橋20:14
- 千葉20:29
- 都賀20:33
- 四街道20:37
- 佐倉20:46
- 酒々井20:52
- 成田20:58(着)
東京駅から成田駅まで
1時間6分
近い時間の快速。
快速成田空港行き
- 東京20:12
- 新日本橋20:15
- 馬喰町20:17
- 錦糸町20:22
- 新小岩20:27
- 市川20:35
- 船橋20:42
- 津田沼20:46
- 稲毛20:53
- 千葉21:01
- 都賀21:06
- 四街道21:09
- 佐倉21:18
- 酒々井21:24
- 成田21:31(着)
東京駅から成田駅まで
1時間19分
こちらは13分の差がありあからさまに通勤快速のほうが早い。もう1本も見てみよう。
東京発通勤快速成田行き
- 東京21:53
- 新日本橋21:55
- 馬喰町21:57
- 錦糸町22:01
- 船橋22:14
- 千葉22:27
- 都賀22:31
- 四街道22:35
- 佐倉22:43
- 酒々井22:50
- 成田22:56(着)
東京駅から成田駅まで
1時間3分
近い時間の快速。
快速成田空港行き
- 東京21:24
- 新日本橋21:26
- 馬喰町21:28
- 錦糸町21:33
- 新小岩21:37
- 市川21:42
- 船橋21:48
- 津田沼21:52
- 稲毛21:59
- 千葉22:04
- 都賀22:09
- 四街道22:13
- 佐倉22:22
- 酒々井22:28
- 成田22:35(着)
東京駅から成田駅まで
1時間11分
8分の差。下りの通勤快速は朝と違って先行する快速を市川駅で追い抜くため所有時間が早くなっている。
総武線の通勤快速は夜は早い。しかし朝は快速とほぼ同じ時間のため恩恵があまりないため廃止したのか、またはコロナによる利用客減少で通過駅の乗車機会を増やすために廃止したのか、なくなってしまったのは寂しいものである。
※上図は再現したものです。
成田線は「千葉」〜「銚子」間を結ぶ本線、「成田」〜「成田空港」を結ぶ空港支線、「成田」〜「我孫子」間を結ぶ我孫子支線がある。一口に成田線といっても3路線存在するのだ。
これら3路線に全て接する成田駅は成田線の中心となる駅である。本線・空港支線・我孫子支線と全ての路線と接続し、乗り換えることができる。
ただ先ほどにも言ったように3路線は全て成田線である。本線・空港支線・我孫子支線という名前はついているがそれは成田駅を構成する路線の一部であって路線そのものの名称ではない。そのため旅客案内上では成田空港方面、銚子方面、我孫子方面と行き先は異なっても全て成田線と案内されている。
しかし同じ成田線ではあるものの区間に応じて運行形態はまったく違う。ここからはそれぞれの区間の特徴について見ていこう。
まずは本線。「千葉」〜「成田」〜「銚子」間を結ぶ94.7kmの路線で成田線の中心である。本線は通勤通学のベッドタウン区間「千葉」〜「成田」間とローカル区間の「成田」〜「銚子」間と運行形態が大きく二つに分かれているのが特徴となっている。
本線「千葉」〜「成田」間は主に東京方面からの総武快速線が千葉駅から直通運転を行うベッドタウン区間。線路も複線であり成田線で最も利用客と運行本数が多い区間である。
総武快速線は東京方面だけでなく成田駅から空港支線の成田空港方面にも直通運転を行っているため、東京都心から成田空港へのアクセス路線としての顔も持っている。この区間における列車の大半は本数と空港支線を合わせた総武快速線との直通運転が主体のダイヤとなっているのだ。
また総武快速線と同じ経路で成田エクスプレスという特急列車が走っている。東京近郊の主要駅と成田空港を乗り換えなしで結ぶ特急となっている。
因みに成田線本線の起点は佐倉駅であり千葉駅ではない。「千葉」〜「佐倉」間は総武本線であり、ここを通る成田線列車は総武本線に直通している形となる。ただややこしいので成田線の列車は総武本線を走っていても成田線と案内される。「千葉」〜「佐倉」間を除いた成田線本線の正式な総距離は78.6kmとなる。
本線「成田」〜「銚子」間は単線であり1時間に1本程度しか電車が来ないローカル区間となっている。総武快速線直通列車は1日1往復のみで特急は走っていない。また「成田」〜「香取」間に限り鹿島線がわずかながら直通運転を行っている。鹿島線もローカル線であり、運行本数は成田線本線を下回る。
「千葉」〜「銚子」までを結ぶ路線としてもう一つ総武本線があり、こちらは成田線よりも距離が短く特急も運行されている。このため「千葉」〜「銚子」間の移動は総武本線が主体となっている現状だ。
空港支線は「成田」〜「成田空港」を結ぶ10.8kmの路線で成田線の中では最も距離が短く、駅も3駅のみ。先ほどの本線と合わせて東京方面との総武快速線直通主体の路線である。快速列車が大半で普通列車は数えるほどしかない。
成田空港へ繋がる路線なので需要があり、本数多くて線路も複線・・・というわけではない。1時間あたり1〜2本の運行で線路も単線である。
なぜこんなことになっているのかというと、空港支線が成田新幹線用の用地を活用して開業した路線だからである。
成田新幹線は東京と成田空港を結ぶ路線として開業する予定だったが、沿線の反対が激しかったために計画が頓挫した。
後に運輸大臣の指摘で在来線に転用され、京成電鉄と用地を分け合う形で成田新幹線は成田線と京成線と2つの路線として開業した。複線を分けたため単線になってしまったのだ。
単線になってしまったがために高頻度運転ができず、現在の運行本数になっている。京成側は後に成田スカイアクセス線が開業し、運行頻度も所有時間も成田線を上回っているため京成の方が優位に立っている現状である。
最後に我孫子支線。「成田」〜「我孫子」を結ぶ32.9kmの路線である。我孫子駅で常磐快速線上野方面と直通運転を行う通勤路線となっており、成田線本線と空港支線には直通しないため常磐快速線の一部として機能する路線である。この事から「常磐・成田線」と呼んだり、ごく一部常磐快速線を介し東海道線に直通する列車があるため「上野東京ライン」の一角としても扱われる。優等列車はなく、我孫子支線は全て各駅停車となっている。因みに常磐線と直通している関係上、常磐線の車両で運行されている。
全線単線なため運行本数は毎時2本と控えめ。都心に近めではあるが便利とは言い難く、利用客は路線バスで南にある北総線に流れてしまうらしい。
因みに我孫子支線の起点は成田駅で成田方面が上り、我孫子方面が下りとなっているが直通先の常磐快速線に従って旅客案内上では我孫子本線が上り、成田方面が下りと案内される。
以上が成田線3路線である。3路線は全て性質の異なる路線となっている。都市部への通勤通学と成田空港アクセスを担うだけでなくローカル線の顔を持つ本線、本線と一体化した空港アクセス路線の空港支線、常磐線の一部のような我孫子支線とそれぞれ特色が見られる。
最後に個人的な話。我孫子支線は成田線我孫子支線と名乗るよりも常磐線我孫子支線と名乗ったほうがいいような気がする。成田線で唯一成田線同士で直通しない上に常磐線と直通しているし・・・。
1872年10月14日、「新橋」〜「横浜」間にて日本で最初の鉄道が開業し、122年後の1994年には鉄道の誕生と発展を記念して毎年10月14日を「鉄道の日」と定めた。そして28年後の2022年には鉄道開業150年となり、これを記念して各鉄道事業者は各地の駅などで限定グッズの販売やスタンプラリー、特別仕様の列車を運行するなど様々なイベントを開催した。
今回は数多くのイベント中から一つを紹介する。紹介するのは成田駅でのイベント。
ずらりと並んだ方向幕や行き先表示機。2022年10月16日、成田駅では改札外の待合室内を利用して183系ヘッドマーク幕回し実演会が行われた。
183系のヘッドマーク及び方向幕は画像と上真ん中の2つ。後はもう一つ方向幕とLEDの発車標や行き先表示機がある。この実演会ではヘッドマーク及び方向幕を好きなものに切り替えられ、周りの発車標や行き先表示機が次々と変わっていく。
今回はこちらのイベント行き実際に回してもらっていろいろ見ることができたので、それらを画像で見ていこう。
@特急 ビーチインBOSOさざなみ 新宿(木更津回り)
A特急 ひたち11号 平
急行 日光5号 日光 なすの5号 黒磯
B安房鴨川 木更津回り
C通勤快速 大船
D特急 日本海 青森
次からだが、Aに関しては一つずつずれて表記されていくので新たに出たものだけを表記する。Bは切り替わるタイミングは違うようなので切り替わったら表記する。Dは変わらなかったので次からは表記しない。
@特急 あずさ 千葉
A普通 黒磯
B安房鴨川 勝浦回り
Cエアポート成田 成田空港
@特急 すいごう 銚子
A特急 そよかぜ3号 中軽井沢
C特別快速 エアポート成田 成田空港
@特急 すいごう 東京
A急行 ゆけむり9号 水上
草津7号 万座 鹿沢口
B勝浦
C特別快速 エアポート成田 大船
@特急 かいじ 千葉
A普通 高崎
C特別快速 エアポート成田 東京
@特急 あやめ 佐原
B大原
C上野東京ライン 常磐・成田線直通?
@特急 あずさ 南小谷
A特急 ひばり17号 仙台
C東京経由 安食
@特急 ホームタウンしおさい 成東
A特急 やまびこ5号 盛岡
B上総一ノ宮
C上野東京ライン 常磐・成田線直通
@特急 おはようしおさい 東京
A普通 平
C東京経由 成田
@特急 ホームタウンわかしお 安房鴨川
A普通 黒磯
B茂原
A特急 白山5号 金沢
C京葉線 各駅停車 東京
@特急 かいじ 甲府
A特急 みちのく 青森
B佐倉
C京葉線 各駅停車 海浜幕張
@特急 しおさい 成東
A特急 とき19号 新潟
C京葉線 快速 南船橋
@特急 あやめ 成田
A普通 前橋 水上
B成田
C京葉線 通勤快速 上総一ノ宮
@特急 あやめ 東京
A特急 ひばり19号 仙台
C特急 ひたち13号 指定席 仙台
@特急 すいごう 佐原
A特急 ひたち13号 平
B成田空港
CLtd.Exp HITACHI 13 Reserved For Sendai
@特急
A急行 なすの53号 宇都宮
B佐原
C停車駅
@特急 さざなみ 館山
A急行 ときわ9号 平
@特急 さざなみ 東京
A普通 日光
B鹿島神宮
@特急 ウイングエクスプレス 成田空港
A普通 平
@特急 ウイングエクスプレス 東京
A特急 いなほ5号 秋田
B新宿
@特急 ウイングエクスプレス 新宿
A急行 妙高5号 直江津
C特急 成田エクスプレス 鎌倉・横須賀
@特急 ホームタウンわかしお 勝浦
A普通 長野原
B八街
CLTD.EXP Narita Express Kamakura-Yokosuka
@各駅停車 木更津
A特急 はつかり11号 青森
B成東
CNEX
@特急 わかしお 上総一ノ宮
A特急 やまばと3号 青森
C特急 成田エクスプレス 小田原
@特急 おはようさざなみ 東京
A普通 黒磯
B通勤快速 逗子
CLTD.EXP Narita Express Odawara
@特急 わかしお 勝浦
A特急 あさま13号 長野
CNEX
@シュプール白馬
A特急 とき21号 新潟
B通勤快速 大船
C特急 成田エクスプレス 新宿
いかがだっただろうか?懐かしいものからつい最近のものまでたくさん見ることができた。自分がまだ生まれていない頃に運行されていた列車を懐かしいというのも変かもしれないが。
正直、無料のイベントでここまで見られるとは思わなかった。豪華すぎませんかね…。
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