千葉寺
ちばでら
Chibadera
真言宗豊山派の寺院「千葉寺(せんようじ)」
千葉県千葉市
京成電鉄(2021年)約2,150人
京成千原線
上り
京成千葉・
京成津田沼方面
下り
ちはら台方面
普通
1面1線の棒線駅。将来の千原線複線化を見据えて用地が確保されており、向かい側には未使用のホームがある。千原線は京成電鉄の路線だが運賃計算が特殊で、千葉中央駅を境に一度キロ数を打ちきり千原線(千原線からは千葉線)の運賃を上乗せするため高水準な運賃となっている。
駅名の通り千葉寺が徒歩10分ぐらいの位置にあるが、読み方は「ちばでら」ではなく「せんようじ」である。「ちばでら」は通称のようである。南口からJR蘇我駅まで徒歩約20分とやや距離はあるものの、歩いて行けなくはない距離?
路線
千原線
千葉中央起点
2.5km
駅構造 高架駅
ホーム 1面1線
開業日 1992年(平成4年)4月1日
駅名標。地名は「千葉寺町(ちばでらちょう)」、お寺は「千葉寺(せんようじ)」。あと駅名標に牛のシールを貼らないでください
駅名標2。未使用のホームに建つ。青葉の森公園下車駅と書かれており、徒歩約8分
ホーム。画像左側のホームは未使用で線路も引かれていない。そのため1つのホームに上下の電車が発着する
行灯式の発車標。千葉中央方面、大森台方面となんだか中途半端だが、開業時の「千葉中央」〜「大森台」間の千葉急行電鉄千葉急行線だった頃の名残
ようこそ千葉寺へ
千葉急行線時代の写真。祝 千葉急行線 千葉中央駅-大森台駅間開通 千葉急行電鉄株式会社。ヘッドマークを装着した3050形と、テープカット
行灯式の発車標2。「大森台」〜「ちはら台」間が開業したのは千葉急行線開業から3年後
改札
駅前ロータリー。千葉寺まで徒歩約10分。JR蘇我駅まで1km弱という距離なので万が一の時に
南口からJR蘇我駅の案内。当駅から徒歩約18分。そこそこ近く、ターミナル駅である蘇我駅に現在の千原線が勝てるわけがない。当駅の利用客が少ない要因かも
千葉寺駅の文字
千葉寺
せんようじ
千葉寺駅から約650m
千葉市内最古の寺院。千葉家の信仰を受けたとされ、千葉常胤の時代は千葉氏の祈願所となりここで戦の勝利を祈願していたと伝えられる。境内には千葉県指定天然記念物に指定されている千葉寺のイチョウがあり、シンボル的存在として親しまれている。
仁王門
大師堂
千葉寺のイチョウ。樹高30m、目通り8mあり神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮のイチョウよりも大きい
垂れた乳柱。これを煎じて飲むと母乳がよく出るようになると伝えられている
千葉県立青葉の森公園
ちばけんりつあおばのもりこうえん
千葉寺駅から約1.5km
農林水産省畜産試験場の跡地を利用し1987年に開園した公園。大きく4つのゾーンに分かれており広場や遊具のあるレクリエーションゾーン、博物館のあるカルチャーゾーン、古くからの自然が残るネイチャーゾーン、各種競技場のあるスポーツゾーンがある。
ツバキ
ツバキ2
ネモフィラとポピー
ヒトツバダコ
菜の花
青葉ヶ池
西洋庭園
房総の森林や草地の姿などを再現する生態園。野外の博物館である
生態園ではタヌキを見かけることがある。夜行性だが昼でも姿を現す
千葉県の自然と人間をテーマにした「千葉県立中央博物館」。公園の北西にある
素掘りトンネルの再現。房総半島の上総地域によく見られ、房総の山々は人間の手で簡単に掘ることができるが、掘っても崩れない程よい固結度
銚子層群からはアンモナイトの化石が多く産出する。中には世界的に広く分布し地質時代決定の決め手となる種も含まれる
鋸山を中心に切り出されていた石材の房州石。新第三紀鮮新世の大量の火山噴出物が長い間に固結してできたもの
千葉県から発掘された日本最大の頭蓋骨を元にして組み立てられたナウマンゾウの骨格
ミズナギドリ科鳥類の胸骨。チバニアン期の地層から発見されたもの
千葉県の沖を流れる黒潮は色々なものを運んできて海岸に流れ着く。黒潮はフィリピンの東からやってきて、南の暑い地方に生えているココヤシの実を運んでくることもある
房総の清澄山一帯に生息するニホンジカ。最近数が増加している模様
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京成線の「京成津田沼」〜「千葉中央」間は京成千葉線、そして「千葉中央」〜「ちはら台」間は京成千原線となっている。千葉中央駅で折り返す列車があるものの、直通が大半なため同一路線のような雰囲気が漂う路線である。
普通(各駅停車)しかないものの一部列車は京成上野駅まで乗り換えせずに行くことができる。千葉と東京のベッドタウン路線だが様々な要因から利用客が少ない。
その理由のひとつとして運賃が高いことにある。2021年10月現在初乗りが190円(大森台〜学園前は260円)と高額に設定されている。千原線全線を通して乗ると6駅10.9kmで370円。
ただでさえ高水準な運賃なのに千原線は他の京成線とは別運賃扱いされ、キロ数計算を千葉中央駅で打ち切ってから千原線の運賃を加算する。この制度により千原線の運賃の高さがより際立ってしまっている。
上の画像のように「京成千葉」〜「千葉寺」間を利用すると千原線独自の運賃形態で合計330円(後に解説する割引で280円)になる。2駅移動しただけなのにこの運賃である。
なぜこんな運賃形態を採用しているのかというと、千原線の前身である千葉急行線が深く関係している。
千原線は元々千葉急行線という第3セクター鉄道会社の千葉急行電鉄が運営する路線で、千葉市南東部と市原市北部に造成されたニュータウンへのアクセスを目的としていた。
しかし工事の遅れや利用客の低迷、高い運賃など様々な悪条件が重なり、千葉急行電鉄は設立わずか6年で破綻する。残された千葉急行線は筆頭株主だった京成電鉄が引き継ぐことになった。これが現在の千原線になる。
引き継いだ京成電鉄も千原線の現状から収益が見込めず、千葉急行線時代の高い運賃を引き継ぎ、別会社へ直通運転するように千原線は千原線の運賃を別途加算する形にした。千原線には6年で破綻した千葉急行電鉄の亡霊が取り付いている、とでも言おうか。
しかし高い運賃の千原線には密かな割引制度がある。これは利用する駅によって決まるものだ。
まず一つ。「京成千葉」と「千葉寺」「大森台」を相互利用すると50円割引になる。
例えば京成千葉駅から乗車して大森台駅で下車したとする。運賃は400円だが割引が適用されて350円になる。
次。「京成千葉」と「学園前」「おゆみ野」「ちはら台」を相互利用すると70円割引になる。
例えば京成千葉駅から乗車してちはら台駅で下車したとする。運賃は510円だが割引が適用されて440円になる。
最後。「谷津」〜「新千葉」間と「千葉寺」〜「ちはら台」の駅を相互利用すると40円割引になる。
例えば新千葉駅から乗車して千葉寺駅で下車したとする。運賃は330円だが割引が適用されて290円になる。
このように運賃が高い千原線にも短距離利用なら割引が適用されて少しお得なのだ。それでも高水準なことに変わりはないが。
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