上総亀山

かずさかめやま

Kazusa-Kameyama

房総半島ど真ん中の終着駅、運行本数に注意

所在地

千葉県君津市

1日平均乗車人員

JR東日本(2010年)約90人

Train line

久留里線

上り
久留里・木更津方面

 

どんな駅?

JR東日本


久留里線(木更津起点)32.2km


開業日 1936年(昭和11年)3月25日

 

久留里線の終着駅。釣りや紅葉の名所として名高い亀山ダムの最寄り駅。2023年現在、8時48分発の列車を乗り過ごすと次に来るのは14時27分で非常に大きな時間が空く。

 

1面1線の棒線駅。夕方と夜間に当駅始発久留里行きという区間列車があり、これは久留里駅で久留里始発木更津行きに接続を行っている。当駅は夜間留置が設定されており久留里始発上総亀山行きの最終列車が当駅で夜を明かす。

 

亀山湖の観光は久留里線の本数が少なくて予定を立てるのが厳しいが、観光シーズン時に木更津方面からの久留里行きが当駅まで延長運転される事がある。

 

久留里線は元々「木更津」〜「大原」間を結ぶ木原線になるはずだったが先に開業していた小湊鉄道線上総中野駅と木原線(現いすみ鉄道)大原駅が接続。木更津側を上総中野駅まで延伸しても採算は取れないと考えた結果、木更津側は盲腸線の久留里線になった。

 

2024年11月27日に表明された久留里線バス転換(廃線)の区間にある一駅。久留里駅から当駅までの9.6kmは代替路線バスへの転換が検討されている。「久留里」〜「上総亀山」間の2023年度の1日平均通過人員はわずか64人と、首都圏にあるのにもかかわらず地方のローカル線よりも少ない数値。

 

駅周辺

 

亀山湖・亀山ダムの玄関口。亀山温泉やキャンプ場、レンタルボートといった施設に紅葉狩りが楽しめる行楽地。

 

当駅から約450m地点にある上総亀山駅入口交差点の国道465号上に千葉駅行きの高速バス「カピーナ号」のバス停がある。久留里線の運行がない時間帯にもバスが来るので乗れない時の脱出手段に。

Tracks map

JR久留里線

上総亀山

 

出典「配線略図.net」https://www.haisenryakuzu.net/

Stamp

設置場所 駅舎内
備考 JR久留里線スタンプラリー(2018)による限定設置

「きみぴょん」と亀山湖の橋と久留里線。きみぴょんは君津市のキャラクター。市の花ミツバツツジの耳を持つ、房総丘陵のいにしえから住む小さな動物たちの仲間。ミツバツツジは乾燥に弱いという性質があるため、湖のほとりや川べりで遊ぶ事が大好きというキャラ付けがされている。

設置場所 駅舎内
備考 JR久留里線スタンプラリー(2019)による限定設置

ボートと亀山湖の橋と久留里線。亀山湖は上総亀山駅から約850mの場所に位置する、亀山ダムの造成により誕生した人造湖。ヘラブナやブラックバスの釣りが盛ん。秋になると紅葉が美しく、11月中旬〜12月上旬と本州でも一番遅い紅葉の名所。ボートで紅葉クルーズも楽しめる。

設置場所 駅舎内
備考 スマートフォンアプリ「エキタグ」のNFCタグを読み取り取得

上総亀山駅。そこはかとなく哀愁が漂う線路終端部の車止め。久留里線の前身だった木原線は本来だと木更津駅と大原駅が結ばれる予定だったが、採算面の問題から上総亀山駅で打ち切りとなり結果的に行き止まりの盲腸線となった。

Gallery

駅名標。ホームが狭くて黄色い線の外に出ないと1枚に収まらなかった記憶

縦型駅名標。駅舎の柱に1枚だけ取り付けられている

東京から106.5km。描かれているのは亀山湖

名所案内。当駅は三石観音、亀山温泉、裏清澄ハイキングコース、亀山ダム

ホーム。島式ホームの1面2線に見えるが、片方の線路は寸断され柵も設置されているため1面1線。留置線も見えるが廃止済み。有効長2両、夜間停泊あり

久留里線の線路の終端。この先には道路や民家がある。小湊鉄道線より先に久留里線が上総中野駅に接続していたら真の木原線が出来ていたのかもしれない・・・

富士山?

こいのぼり

駅舎の中。終着駅だが無人駅。乗車駅証明書発行機だけ

 

久留里線って電車じゃないんだよ。久留里線は全線非電化で架線がない。燃料で走る気動車

2012年まで久留里線を走っていたキハ30形。タブレット交換の様子

8時48分発の列車を逃すと次に来るのは14時26分(2024年現在)

駅周辺にコンビニ、スーパーはない。亀山ダムまで徒歩約11分

なくすな!久留里線。「久留里」〜「上総亀山」間はJR東日本管内で最も収支率の低い区間。JR東日本は2022年7月28日にバス路線への転換を視野に入れたいと千葉県は沿線の君津市に協議を申し入れた

2025年9月21日訪問時、久留里線と地域を守る会の人だっただろうか、駅前でこのような会報配りと久留里線廃線反対の著名が行われていた(一応著名はしておいた)

君津市亀山湖 笹川湖 七里川ガイドマップ。古くなっていて見づらい。オータムフェスティバル期間中は格ボート店主催の紅葉狩りクルーズもおすすめ!

イルミネーションの電飾。奥房総の冬の風物詩。KAMEYAMAという文字が確認中できる

駅の看板

駅舎横のトイレ。水洗式で綺麗。久留里線の車内にトイレがないので重宝する

駅の外から見る久留里線終端部

Spot

亀山湖・亀山ダム

三石山展望台

三石山観音寺

笹川湖・片倉ダム

道の駅ふれあいパーク・きみつ

清水渓流広場

七里川渓谷

 

 

lunch

喜楽(ラーメンセット)

 

 

 

 

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Column

つながらない久留里線

 

 

久留里線は内房の木更津駅から内陸部の上総亀山駅を結ぶローカル線だ。上総亀山駅から先はない「盲腸線」と言われるタイプの路線である。

 

久留里線がなぜ行き止まりの路線になったのか、それには訳があるのだ。久留里線の前身である千葉県営鉄道までさかのぼる。

 

千葉県営鉄道とはその名の通り千葉県が運営する鉄道。県内の道路事情の悪さ、他県に比べ鉄道の敷設が遅れていることから、地域開発のため県内各地を鉄道で結ぶ計画を行っていた。多古線や八街線など複数の路線を敷設していったが、現在は廃止となっているものが多い。しかし他の鉄道事業者により運行されている路線が現在のJR久留里線、東武鉄道の東武野田線(東武アーバンパークライン)がある。

 

久留里線は1912年、千葉県営鉄道の手によって敷設された。この時は「木更津」〜「久留里」までだった。1923年には国鉄に無償譲渡され国有化。1936年には「上総亀山」まで延伸され現在の形となる。

 

 

これで久留里線は完成、ではなく当時の国鉄は久留里線をさらに延伸して、同じく国鉄が運営する「大原」〜「上総中野」間を結ぶ路線、木原線(現いすみ鉄道)と結び付け房総半島を横断できるようにしたかった。木原線とは木更津の「木」、大原の「原」を意味する。

 

 

上総中野駅は内房の五井駅から伸びる小湊鉄道線が1928年に開業、すでに房総内陸部に路線ができていた。一方、木原線は1934年に上総中野駅まで延伸。これで小湊鉄道線と木原線を乗り継いで房総半島を横断する手段が完成した。

 

久留里線と木原線ではなく、小湊鉄道線と木原線で房総を横断する手段が出来てしまっている以上、山ばかりの「上総亀山」〜「上総中野」間を結んだところで国鉄は採算が取れないと考え、国鉄は久留里線と木原線を結ぶ計画を打ち切った。

 

 

その結果久留里線は先に伸びることなく、上総亀山駅までの盲腸線となったのだった。

 

 

 

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