上総中野
かずさなかの
KAZUSANAKANO
小湊鉄道といすみ鉄道が接続、房総半島を横断
千葉県夷隅郡大多喜町
小湊鉄道(2020年)約20人
いすみ鉄道(2020年)約50人
小湊鉄道線
上り
五井方面
いすみ鉄道線
上り
大多喜・大原方面
小湊鉄道線といすみ鉄道線の終着駅。お互いの線路は繋がっており直通運転が可能となっているが、設備投資などの問題があり乗り入れは実現していない。
2面2線ホームの無人駅。小湊鉄道線が駅舎側1線、いすみ鉄道線が構内踏切を渡った先の島式ホーム片側の1線を使用する。どちらも夜間停泊は設定されておらずそのまま折り返していく。
2021年7月現在小湊鉄道線は1日8本、いすみ鉄道線は1日13本の列車が設定されている。小湊鉄道の下り列車は上総牛久や養老渓谷で折り返す列車が大半で「養老渓谷」〜「上総中野」間は小湊鉄道のみならず千葉県内で最も列車の本数が少ない区間となっている。
路線
小湊鉄道線
五井起点
39.1km
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業日 1928年(昭和3年)5月16日
運営形態 無人駅
路線
いすみ線
大原起点
26.8km
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業日 1934年(昭和9年)8月26日
運営形態 無人駅
小湊鉄道線駅名標。いすみ鉄道線の西畑の文字がある。ただ小湊鉄道線が発着する最も駅舎側の線路は西畑側が行き止まり
いすみ鉄道線駅名標。小湊鉄道線の養老渓谷の文字がある。いすみ鉄道線が発着する駅舎側から一番外側の線路は小湊鉄道線と接続しており、直通が可能
いすみ鉄道線駅名標2。こちらは養老渓谷に小湊鉄道と表記し、中心にのりかえと表記。あたかも直通していそうな両方の矢印
ホーム。のりばの番号はなく、いすみ鉄道線は画像から見て一番左の側線、小湊鉄道線は一番右の本線に発着する。いすみ鉄道は養老渓谷側行き止まりの真ん中の線路が本線だが、こちらには発着しない
ホームから小湊鉄道線養老渓谷方面を眺める。真ん中のいすみ鉄道線本線の左側の側線を介して小湊鉄道線と接続している
老川いきものわくわくマップ。この生きものマップは、地域の児童・生徒が夷隅川地域の豊かな自然環境と多種多様な生きものを守っていきたいという想いで作製したものです。
(上総)中野駅周辺マップ。往復3kmの小湊鐵道・菜の花コース、2kmの七面山展望コース、4kmのいすみ鉄道・古刹(こさつ)コース、3kmの伝説・伝承巡りコース
自動販売機に書かれたいすみ鉄道の行き先、大多喜・大原方面。国鉄色
駅舎の中。無人駅。もともと駅事務室はない
上総中野駅名勝案内図。水彩画だろうか?右から左に読む文字に時代を感じる。しかしどの辺りを描いているのだろう
小湊鉄道線の写真。「上総大久保」〜「養老渓谷」間の石神の菜の花畑をキハ200形が走っている
いすみ鉄道の写真。いすみ200型、大原駅で並ぶいすみ300型と350型
のどかな雰囲気の駅前。少し歩くと国道465号線。曼珠沙華寺まで徒歩約18分、いすみ鉄道線「西畑駅」まで徒歩約22分
駅の看板。ライトの部分だけ焼けてない?
駅舎の横に公衆トイレ。竹をナナメに切ったような形をしている
駅前の桜、2024年4月13日
駅前の桜2、2024年4月13日
小湊鉄道デザインの自動販売機。上半分はキハ200形のカラー、下半分は春シーズンの小湊鉄道線
大多喜藩の初代藩主である「本多忠勝」がデザインされた自動販売機。また大多喜町の「おたっきー」、大多喜城が描かれている
曼珠沙華寺
まんしゅしゃげでら
上総中野駅から約1.5km
彼岸花の名所として知られる。旅人の霊をなぐさめようと、ご住職が境内に曼珠沙華(彼岸花の別名)の球根を植えたのが始まりと伝えられている。ご住職が亡くなると、里の人たちが遺志を継いで彼岸花の球根を植え、毎年美しい花を咲かせている。
彼岸花
白い彼岸花はあまり見られない
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市原市を中心に走るローカル線の小湊鉄道。勘のいい人なら気づくかもしれないが外房線には「安房小湊」という名前の駅がある。しかし小湊鉄道は上総中野までしか行かない。小湊に行かないのに小湊と名乗るのは何事だ。何か理由があってこうなったに違いない。
小湊鉄道は大正14年に「五井」〜「里見」間が開業し、翌年には「月崎」まで、昭和5年には「上総中野」まで延伸し現在の姿になった。
しかし延伸はこれで終わりではなかった。創業時、外房線の安房小湊駅まで敷設免許の許可を受け、開通を目指していた。小湊方面を鉄道で結ぶことにより房総半島を横断、陸の孤島状態を解消することが小湊鉄道の計画だった。
計画はされたが結局「上総中野」〜「安房小湊」間は開通せず、夢のまま終わってしまった。その結果小湊に行かない小湊鉄道になってしまったのだ。開通しなかった理由は建設費不足と国鉄が房総半島を横断する「木更津」〜「大原」間の木原線計画にある。
木原線(現いすみ鉄道)は「大原」〜「大多喜」間から延伸を繰り返し、のちに「上総中野」で小湊鉄道線と接続する。これで房総半島を横断する手段が出来上がった。
こうなってしまうと小湊鉄道は高額な費用を出してまで安房小湊方面に線路を伸ばす必要がなくなる。木原線経由の方が房総半島を横断するのが早いからだ。
しかし小湊鉄道は安房小湊方面に延伸すべく路線敷設免許を何度も更新した。あきらめきれなかったのだろう。何度も何度も更新したがあまりにも進歩がなかったため政府からついに免許を取り消されてしまう。
そして小湊鉄道の安房小湊方面延伸計画は夢のまま終わることとなった。現在の「五井」〜「上総中野」間になったのだ。
小湊鉄道公式サイトには皮肉にも安房小湊駅のページがある。さらに「上総中野」〜「安房小湊」間に開業する予定だった中間駅「筒森」と「名木」の名前がある。夢は実現できなかったが小湊鉄道は「先人たちの夢やチャレンジ精神を今でも大切にしています。」とコメントしている。
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