江見

えみ

Emi

所在地

千葉県鴨川市

 

1日平均乗車人員

JR東日本(2022年)約50人

 

 

Train line

内房線

上り
館山・木更津方面

下り
安房鴨川方面

普通

鴨川市の南部、江見地区に位置する駅。駅舎側1番線は上り(千葉方面)ホーム、跨線橋を渡った先が2番線下り(安房鴨川方面)ホーム。

 

当駅は江見駅郵便局として日本郵便の局員が郵便局と駅の業務を行う。営業日は平日のみ。とある位置ゲームのキャラクターが応援特使に選ばれており、駅前にはかつて郵便物を運送していた電車をイメージしたポストが設置されている。

 

郵便局と駅の機能をあわせもつ駅舎に新築移転が行われたのは2020年8月31日のこと。局員が駅の業務と郵便局の業務を請け負うのは全国初の事例となる。江見駅郵便局に駅業務委託前は2019年7月1日以降から当駅は無人駅となっていた。

 

江見地区は黒潮の影響を受けやすく温暖で、漁業や花の栽培が盛んである。

Stamp

花の江見。1971年に鴨川市が発足した当時の江見地区は花卉栽培が盛んで、バラやテッポウユリの産地として知られていたようだ。

乗車記念。JR千葉支社管内の乗車記念スタンプである。

JRのスタンプというより江見駅郵便局のスタンプかもしれない。スマートフォン向け位置情報ゲーム「駅メモ!」のキャラクター「でんこ」の一人「友荷なより」。2020年9月30日に江見駅郵便局応援特使、2021年9月30日に鴨川ふるさと特別大使に就任した。

ちっちゃい「なより」。局員、もしくは局長の手作りだろうか

江見駅。「江」はエビ(?)、「見」はポスト、「駅」は手紙と花(?)で文字をデザインしている

なより。ようこそ♪鴨川なの♪

なより。江見駅郵便局のポストをバックに、手で江見駅郵便局を持っている

江見駅郵便局風景印。友荷なより 江見駅郵便局 応援特使就任記念

江見駅郵便局風景印2。千葉江見駅

Gallery

駅名標

縦型駅名標

縦型駅名標2

縦型駅名標に「なより」がいる。鴨川ふるさと特別大使就任記念2021.9.30

名所案内。当駅は房州生花の生産地、釣場

ホーム。待合所を除けば屋根なし。トイレは駅舎の中から入る

かつてのホーム

待合所

駅メモ!のポスター。友荷なより。「駅メモ!」シリーズのキャラクター「でんこ」の1体。情報伝達を目的に生まれたでんこで、日ごろから仕事としてお手紙を運んでいる。

駅メモ!のポスター2。左にいるのは「丸地にころ」で「なより」ととても仲良し。丸地にころは荷物運搬を担うため生まれた。ものすごい商売根性を持っており、非常にちゃっかりしている。

駅メモ!のポスター3。「青海川しゅか」と巡る!越乃Shu*Kura沿線の旅!

ホームから駅舎へ。旧江見駅の看板が取り付けられている

駅舎からホームへ

駅メモ!の「ベアトリス=ファン=ライツェ」。とある西の国出身のでんこ。強きをくじき弱きを助ける精神に満ち溢れた慈悲深い面も持ち合わせる一方、世間知らずでやや天然な面を持ち合わせる

駅メモ!の「岩国みづほ」。いつもぼんやりしている、ちょっぴり不思議なでんこ。口数は少ないものの、感情表現は意外と豊か。表情を見れば、なんとなく考えていることがわかるのだとか・・・

駅舎の中は郵便局。局員が郵便局と駅業務を行っている。乗車券、Suicaの販売、チャージ、精算などが行える。営業時間は2024年現在、平日の9時〜17時

郵便局営業時間外

トイレ

セルフレジのキオスク。正式名称はオフィスキオスク。JR社内の社員向けのものを一般客向けに設置したもの。因みにオフィスキオスクの一般客向けに設置するのはここが初。開局前にコンビニがほしいという声があったが、コンビニをやるほどの需要が見込めなかったためこのような形となった

「友荷なより」へのバースデーカード。なよりの誕生日は9月30日

江見郵便局応援特使「友荷なより」。駅メモ・ステーションメモリーズ!のキャラクター「でんこ」の一人。2020.9.30、友荷なより江見郵便局応援特使。青い海と白い砂ラッピング(衣装)

なよりのパネル2。鴨川の青い海ラッピング。前回のパネル設置から1年経ったが、前回より等身が低くなって幼さが増した?

なよりと巡る外房線・内房線!。2022年9月30日(金)〜2023年3月13日(月)に開催された位置ゲーム「駅メモ!」のデジタルスタンプラリーイベント。E131系、江見駅郵便局

デフォルメされた「なより」

外にも駅メモ関連の展示物

かつて郵便物を運送していた郵便・荷物電車をイメージしたラッピングポスト。下に「クモユニ74 012」と書かれている

かつての駅舎。内房線に多い水色の屋根の木造駅舎。江見駅郵便局開局前、2019年7月1日から無人駅だった

使われなくなったかつての駅舎

旧駅舎があった場所

かつての駅舎の中

かつてのトイレ

ようこそ江見駅へ。道の駅鴨川オーシャンパーク

先に進むと国道128号線と江見海水浴場がある。近くにコンビニは見当たらない

江見駅の文字。郵便局の文字もある

かつて駅の看板

Spot

道の駅 鴨川オーシャンパーク

みちのえき かもがわオーシャンパーク

江見駅から約2km


国道128号にある道の駅でサザエをイメージした外観が特徴的。3階建て構造で1階は売店、2階はレストラン、3階は展望テラスという構造。建物の前には人工磯の「千年磯」という人工磯の潮だまりプールが広がる。

物産館でお土産を買う。鴨川はレモンの栽培が盛ん

鴨川産の「ところてん」を食べる

花衣山

はなきぬやま

江見駅から約400m


旧江見小学校の裏側に位置する標高70mの小さな山。かつて「花のまち江見」を象徴する山として賑わっていた場所を地域の観光拠点として蘇らせるため、2022年3月26日に海を望む観光農園「鴨川江見花笠山」としてオープンした。

出入口の旧江見小学校

花衣山

ソテツの丘

頂上から江見駅側を眺める

江見駅

旧江見小学校

和田浦駅方面

曽呂尋常小学校分教場跡

そろじんじょうしょうがっこう

ぶんきょうじょうあと

江見駅から約8km


戦後の日本で活躍した財政家及び城西大学の創立者「水田三喜男(みずた みきお)」の出身校。集会所と分教場の2棟の建物で構成されている。本校までは6kmあったため当時の低学年児童は本校に通うことができず、四年生までは分教場で授業を受けていた。1967年に廃校となり、現在は朽ちた状態になっている。

分教場内

一部損傷の激しい場所がある

分教場の隣にある集会場は比較的良い状態を保っている

黒板のある集会場内

台所

記念碑には城西大学の創立、分教場について刻まれている

旧水田家住宅

きゅうみずたけじゅうたく

江見駅から約9km


戦後の日本で活躍した財政家及び城西大学の創立者「水田三喜男(みずた みきお)」が住んでいた家。国登録有形文化財に登録されており、自由に見学することができる。母屋は房総特有の特色が見られ、建設年代は江戸時代後期と推定される。

土間側

座敷。靴を脱いで上がれる

座敷2

屋根裏

春になると桜が咲くらしい

長屋門

正門

酪農のさと

らくのうのさと

江見駅から約11km


日本で一番最初に酪農が始まったとされる嶺岡(みねおか)牧場。資料館で酪農のあゆみについて理解を深めることができる。鎌倉時代から戦国時代は軍馬を生産するために牧場が機能しており、江戸時代になると幕府が直接管理するようになる。八代将軍吉宗がインド産と言われる乳牛3頭を峰岡牧場で飼育し、疲労回復の増強剤や乳製品を作ったことが日本の酪農の始まりとされている。

牛乳パックコレクション

牛乳ビン

牛乳の製造に使われる様々な機械

牛乳を200cc、500cc、1000ccのパックに1時間当たり2100個詰められる牛乳充填機。アメリカ製

資料館は2階建て

搾乳機。昔は手搾りだったが酪農経営の規模拡大などに伴い機械搾りに移行した

乳牛の餌は健康な生活を維持する「粗飼料(そしりょう)」と栄養素を多く含む「濃厚飼料」に分かれ、バランスよく食べさせる事が大事

明治乳業のルーツとされる安房練乳所の看板。生乳は保存ができず利用範囲が狭かったためにバターや練乳の製造が明治26年頃から始まった

嶺岡種畜場(現嶺岡乳牛研究所)は牛の人工授精始まりの場所。これらの機械は牛の精液の検査や冷凍保存を行うもの

様々な品種の牛。日本の乳牛の99%は白黒模様のホルスタイン

酪農資料館に隣接する嶺岡牧場。ヤギと触れ合える

こいのぼり

ヤギ

三芳の牛乳アイスクリーム(左)、サノファームのアイスクリーム(右)

鴨川モーモージェラート

牛の胃袋の形をした築山

嶺岡乳牛研究所の前にある日本酪農発祥地の碑

白牛(ゼブー種)。八代将軍徳川吉宗公がインドの白牛3頭を輸入したことに伴い、千葉県酪農の里は白牛をシンボルとするためにアメリカより輸入した

山里めし&ソフトクリーム「みねおかいきいき館」

みねおかいきいき館のソフトクリーム

Station data

JR東日本
駅構造 地上駅
ホーム

2面2線

開業日

1922年(大正11年)

12月20日

運営形態 業務委託駅
路線
内房線
キロ程

111.4km
(蘇我起点)

和田浦
(4.6km)

太海
(4.6km)

年度別1日平均乗車人員
1990年 280
1995年 260
2000年 170
2005年 110
2010年 90
2015年 80
2018年 80
2019年 不明
2020年 50
2021年 50
2022年 50

 

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Column

江見駅郵便局

 

 

内房線の江見駅は従来の駅の機能に加え、郵便局の機能をあわせ持つ江見駅郵便局として営業を行っている。

 

駅の業務は郵便局の局員が委託する形となっており、普通乗車券、定期券などの乗車券類、Suicaの発売、 Suicaへのチャージ、精算、列車の発車時刻および運賃の案内を行う。(窓口の営業は2021年12月現在平日9〜16時)郵便局が駅の業務を委託するのは日本初の事例であり一部の間で注目を集めた。

 

 

この江見駅郵便局は2020年8月31日から江見駅の旧駅舎を建て替えることにより業務を開始したものである。旧江見駅は2019年まで有人駅だったが、かつて100人以上いた利用客が車社会化、人口減少が伴って1日あたり80人程まで落ち込んだことから無人駅となり、閑散として寂れはじめていた。駅に人がいないということはサービスの低下、施設の維持などに支障をきたすため利用者から不安を買ってしまう。

 

一方で江見駅郵便局は1局舍が老朽化していたため改装の必要があった。そこで考えられたのは無人駅の江見駅に郵便局を移転することだった。

 

駅に郵便局を移転し、老朽化した江見駅を立て替えれば江見駅と郵便局共に改装したことになり、局員が駅の業務を請け負えば無人駅状態も解消され一石二鳥なのである。

 

 

この計画により古い江見駅は新しい駅舎に改装され、江見駅郵便局として生まれ変わった。一つの施設で電車と郵便局を併せ持つことにより利便性が向上した。利用者の少ない地方におけるまったく新しい駅の形といえるだろう。

 

開局してから県外から風景印などの押印を求め、多くの人が訪れた。2020年9月30日からは位置情報を使用した位置ゲーム「駅メモ!ステーションメモリーズ!(以下駅メモ)」の「でんこ」と呼ばれるキャラクターの一人、「友荷(ゆうに)なより」を江見駅郵便局の「応援特使」として採用した。

 

 

駅メモ!とはスマートフォン向けの位置ゲームで、9000以上の鉄道駅がある日本全国を舞台に位置情報を活用して駅を集める、スタンプラリーのようなゲームである。

 

このことから江見駅郵便局は局内に「なより」のパネルを設置し、デジタルスタンプラリーを開催、オリジナルフレーム切手の販売を開始した。オリジナルフレーム切手は江見駅郵便局のほか千葉県南部の郵便局で購入ができる。

 

デジタルスタンプラリーをコンプリートするとアプリ「駅メモ!」における着せ替えの入手、コンプリート画像を提示した先着2000名に「なより」のポストカードの配布が行われたのだった。

 

さらに「なより」は9月30日が誕生日であることからバースデーお祝い企画が行われた。バースデーカードを送ることでスタンプラリーとは別デザインの記念ポストカードがもらえ、送ったバースデーカードは局内に掲示。さらに切手を添えて応募することで記念小型印を押して返送してくれるのだ。

 

 

記念小型印だけ欲しいという人もいるはず。そのような人は江見駅郵便局窓口または郵頼サービスを利用することで、記念小型印を郵便物に押印してもらうことができる。最も手軽なのはハガキを購入して押してもらうことだろう。

 

 

以上のようにたくさんの企画が開催され、多くの人が集まり盛り上がりを見せたのだった。地元の人曰く「江見駅にこんなに人が集まったのは見たことがない。」と話している。

 

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